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Volleyball Boys 2《ハイキュー!!》

第6章  鈍感少女の青春記録Ⅱ《青葉城西》




『及川さーん、ごちそうさまでした!』

「サンキューな」

「うう、岩ちゃんと星菜ちゃんのためなら許す、うんそうしよう!」

おサイフの中身を見てしくしくする及川さん。なんか、ちょっと可哀想だな。

『及川さんの誕生日の時も、またみんなでファミレス来ましょうね』

「ホント!?」

『はい!』

それだけで機嫌がよくなった及川さんは、ふんぬふーんと不思議な鼻唄を歌いながらスキップを始めた。るんたるんたと跳ねて先を行く及川さんに、岩泉さんはため息。

「あいつ、精神年齢低くねぇ…?」

『それが及川さんなんですよ、きっと』

「星菜ちゃん、イイコト言ってるっぽいけど中身スゴい残念なことだな」

『花巻さん、それ及川さんを尊敬してる人のためにも言っちゃダメなやつですよ』

キミタチ聞こえてるぞ!?と及川さんが振り向く。それに岩泉さんがげらげら笑う。そのまま2人でじゃれ合いながら歩く。

「なんだかんだ言ってさ、結局は仲良いんだよな。俺らからしたらそれこそバカップル」

『松川さん、岩泉さんが可哀想です!』

「星菜ちゃん、岩のあの顔見てみ?ほら、めっちゃ楽しそうだぞ?」

花巻さんに言われて岩泉さんを観察。笑ったり、及川さんをどついたり。そこにいるのは、ごく普通の男子高校生の姿。

みんなプロ選手みたいにバレーがすごく上手で、すっかり忘れていたけど。

『高校生、なんですもんね……』

部活は楽しいけど勉強が本分で。ちょっぴり恋してみたり、ふざけてみたり。そんな日常の全てが楽しく思える、高校生なのだ。

そんなことを思っていると、岩泉さんが及川さんの脚を引っ掛けて転ばせようとする。

「ちょ――っ、岩ちゃん危険だから!」

「チッ、顔面から転べばよかったのに」

「うわぁ立派な舌打ちだね!」

「あーあー、また始まったよ」

「やんややんや」

『ふふふ、飽きないですねぇ』

そんなことを話ながら、月明かりに照らされる道をわいわいと賑やかに歩く。

何気ない日常の1コマとか。先輩が誕生日をお祝いしてくれたりとか。振り返る間もなく過ぎ行く時が、すごく尊く思えて。

「星菜ちゃーん、はーやくー!!」

『はいっ、今行きまーす!』

振り返った及川さんに返事をし、私は1歩、踏み出すのでした。




To Be Continued…
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