Volleyball Boys 2《ハイキュー!!》
第6章 鈍感少女の青春記録Ⅱ《青葉城西》
鈍感少女の青春記録Ⅱ
高3男子のEveryday
「及川ァ」
「なぁに、お母さん?」
「誰がお母さんだボゲッ!」
「ぎゃー、家庭内暴りょ…あだっ!?」
なんてやり取りにも慣れてきた、今日は6月の初日です。そしてなぜか、休憩中のただいまの話題は、誕生日のことでした。
「及川サンはモテちゃうから、毎年机とかロッカーにプレゼントがいっぱいで…」
「松の誕生日はもう過ぎたもんな」
「そりゃ花もだろ」
「マッキーまっつん、スルーしたね!?」
『アハハ……』
あぁ、毎度毎度この人は、どうしてこんなに残念なのだろうか。せめてその、ナルシストがもうすこぉしだけ顔を潜めていればもっとモテそうな気もするのに。
まぁ、それが及川さんなんだろうけど。
「ところで、星菜ちゃんは?」
『何がですか?』
「だからぁ、誕生日!いつなの?」
『えと、6月10日なんで、もうすぐです』
及川さんの質問に答えると、えっ!?と3年生の反応がハモる。
「岩ちゃんと一緒!?」
『え、岩泉さんもなんですか?』
「おう」
『へえぇ、びっくりです。誕生日が誰かと一緒なのって嬉しいですね!』
「ッ///」
にこりと岩泉さんに笑い掛けると、フイと顔を逸らされてしまった。ナゼに?
「岩ちゃん!?トキメかないで!岩ちゃんがトキメいていいのは俺だけd…」
「ウゼェ!」
「うぎゃーす!?」
例によって始まったおいかけっこ。
『うわぁ、またやってるよ…』
「アイツら懲りねぇのなぁ」
「特に及川がな-w」
そう言って呆れたように笑う花巻さんと松川さん。ふと気になったことを訊いてみた。
『及川さんと岩泉さんって、いつからあんな感じになっちゃったんですかね?』
「さーね。でも高1の時点であーだったぜ」
『は、花巻さん、マジですか?』
「一徹コンビやってた頃からだろ」
『いってつこんび?』
松川さんの口から出てきた聞き慣れない言葉。"一徹コンビ"というのは、中学時代に及川さんと岩泉さんのコンビに付けられた通り名的なものらしい。2人の名前をとったものだが、コンビネーションが抜群だとか。
『ってことは、6年も一緒なんですねぇ』
「アレに付き合う岩も、苦労人よ」
『ほんとですねぇ…』
花巻さんの言葉に、染々と頷くのだった。