Volleyball Boys 2《ハイキュー!!》
第4章 ★"恋"ってなんですか?:日向
ぱち。ぱちくり、ぱちぱち。
瞬きをすると、いつも通りの部屋。なのに床には服が散乱してる。え、なに、強盗!?くるんと寝返りをして、ひゃっと悲鳴が出た。慌てて口を押さえ、ゆっくりと呼吸する。
『ひ、日向……?』
すぅすぅと寝息をたてる後輩君は、愛らしい寝顔をしている。そのクセっ毛を撫でると、くすぐったそうに身を捩った。
「ん…ぅ………」
『あれ、服着てな……そっか、昨日の夜///』
お互いが裸なのに気付き、ようやく理解。昨日、晴れて付き合うことになったあたしたちは、初めての夜を過ごしたのだ。
いやぁ、翔陽の豹変っぷりにはびっくりしたなぁ。ウサギがオオカミだし。しかもその知識どこで手にいれたの?ってくらい、気持ちよかったし。キミは何なのよ、もう。
『好き………』
「……ん、星菜さん…?」
ちゅ、とほっぺにキスをすると、むくりと起き上がる。寝惚けたとろんとした目をぐしぐしと擦り、キョロキョロと見渡す。そして事態を把握しただろう翔陽は、真っ赤になった。
『おはよう。よく寝れた?』
「っはい、じゃなくてあの!」
『なぁに?』
「っす、すみませんでした!」
『何が?』
「おれあの、夢中で、その……」
しゅんとなる姿がかわいくて、ガバッと抱き付く。そのまま2人でベッドに倒れる。
「星菜さん!?」
『敬語、要らないよ、翔陽?』
「っは、はい…じゃなくて!」
『ん?』
「い、痛くないですか?体、とか…」
『んー、特に痛くはないかな』
「よかった…」
あたしの下でホッとする翔陽に、ぷちゅっとキスをした。赤くなる翔陽の首元に顔を埋め、ちうっと吸い付く。
「えっちょっ、何してっ!」
『ふふ、キスマーク、付けちゃった?』
「き、着替えたらバレるよ!」
『いつかバレるんだから。ほーら、シャワーしてこよ。なんかベタベタするもん』
「いや、汗かいたのは仕方ない…っじゃなくて星菜!ちょっ、一緒に行くの!?」
『どうせだからまとめて入ろう。節水!』
「エコだね!じゃなくてえぇぇぇえ!!」
じたばたもがく翔陽の背中を押して風呂場に向かう。時計を見れば、まだ9時。翔陽がノリ気だったらもう一回…なんて思ったのは、あたしだけの秘密!
The End.