Volleyball Boys 2《ハイキュー!!》
第1章 鈍感少女の青春記録Ⅰ《青葉城西》
そうしているうちに数日が過ぎた。委員会を決めたり、部活の見学に行ったり、友達と出掛けたり、エトセトラエトセトラ…
高校ライフ、早くも満喫中です(笑)
キーンコーンカーンコーン
さて、今日も授業が終わりました。そしてずっと気になっているバレー部専用の体育館の、その前にいます。
が、こんにちは!と、1歩を踏み出せない。
開け放たれたドアの向こう。ボールの跳ねる音や掛け声なんかが聞こえてくる。
きっと新入部員とかもいるんだろうけど。
けども、だ。
『入れない…』
「何してるの?」
『っはいぃ、ごめんなさいっ!?』
ぐりんっと振り向いて咄嗟に頭を下げる。しばらくそのまま硬直していると、頭上から「プッ」と吹き出すのが聞こえた。
「キミ、挙動不審で怪しいんだけど」
『きょっ、きょど…』
そんなにヘンだったのか、私…そろりそろりと頭を上げると、どこかで見た顔。前髪センター分けでだらーっとしたこの人…
「あれ、確か同じクラスの…?」
『えと、1年6組の天草星菜です』
「あぁ、そう。俺も6組。国見英」
『国見、くん。よ、よろしく…ね?』
「よろしくしたくないんだけど」
『うぇっ!?』
「冗談に決まってるじゃん」
フッ、と鼻で笑う国見くん。うわぁ、コイツ絶対Sでしょ。絶対イジワルでしょ。もうオンナの直感が告げてるもん。
「で、そんな天草さんは何してるの?」
『いや、あの…バレー部、見たくて…』
「あー…マネージャー、とか?」
『うん、まぁ、そんな感じかな』
「そう。なら、先輩に紹介してあげるから。その気があるならおいで」
そう言うと、スタスタと歩き出す国見くん。眠そうに感じる猫背を追って、私も体育館へと1歩を踏み出した。