Volleyball Boys 2《ハイキュー!!》
第17章 ★両片想い、実を結ぶ。:白布
情事を終え、一旦冷静さを取り戻すと、どうにも後悔の念に襲われた。最後の最後、天草は1筋の涙をこぼした。それはすぐにシーツに吸い込まれたものの、それと同時に芽生えた罪悪感は、じわじわと広がっている。
「ハァ………まず片すか」
使用済みのコンドームをティッシュに包んでゴミ箱へ捨て、それから天草のぐしょぐしょになったソコも拭ってやる。前髪を掻き上げてしっとりと汗ばむ額にそっとキスを落とす。"ごめん"という謝罪の気持ち、それと"好きだ"という想いが伝われば、と。
乱れた互いのジャージを整えて、天草を横抱きにしてソファへと下ろす。借りたベッドをどうにかバレないようにしていると、後ろからあくびが聞こえた。
『ふぁ……んぅ、しらぶせんぱぃ?』
寝惚けているのか、子供のように舌っ足らずな声が俺を呼ぶ。どきりと跳ねた心臓を宥め、振り返ると、とろんとした目の天草が起き上がっていた。
「体、痛くないか?」
『あの、なんかお腹が痛いんですけど……』
首を傾げ、『変なものでも食べたのかな?』と呟く天草に、んん?と疑問符を浮かべる。
「もしかして覚えてない…?」
『何をで……あっ///』
ぶわっ、と赤くなる天草。記憶が混乱してただけか、と少々ホッとし、それから狼狽える天草を見てニヤリとほくそ笑む。悪くない反応だ。
『いやっ、これはいいい一夜の過ちというか!』
「あれ、あんなエロい顔してたのになぁ?」
『えろっ///……っそうじゃなくて!』
赤くなったり青くなったり、ころころと忙しく表情を変える天草に、今度は可愛いと思い、ふっと笑みを浮かべた。
「やっぱお前、モルハムだな」
『なんですか、それ?』
「こっちの話だよ。ほら、帰るぞ」
保健室を出て、ふと回想する。そもそも、なんで保健室まで来たんだっけ?そうだ、逸れたボールが天草の腕に当たったのか。
「腕、痛くないか?」
『……下腹部の痛みよりマシですぅ』
ふくれっ面をするモルハムの頬に、ちゅっとキスをする。ぼんっ、と音を立てて赤くなる天草に、扱いやすいなぁと思いながらも、小さなその右手を握り、夜の校舎を体育館へと向かうのだった。
The End.