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Volleyball Boys 2《ハイキュー!!》

第13章 ☆プロポーズ大作戦:岩泉




星菜が目を瞬かせる。そして潤んだかと思うと、あっという間に涙を流し始めた。


『どうしよう、夢じゃないのかなぁ』

「なわけねーよ。ほら」


片手でそっと星菜を抱き寄せる。夢じゃないんだね、と星菜は涙声で呟いた。


『どうしよう、実感湧かないよ。これってプロポーズだよね?結婚しようってことだよね!?』

「2回も言わねぇよ」


苦笑して、星菜のおでこに口付ける。月明かりの下、星菜が赤くなるのが分かった。ぎゅっと背中に手を回す星菜が愛しくて愛しくて、堪らない。夜の空気は冷たい。でも星菜が温い。

そっと離れ、星菜の手を取る。左手の"約束の指"にちゅ、と口付け。それから指輪をはめる。


「一生、星菜の作ったメシを食いたい」

『っ、うん、うんっ!』


左手を大切そうに胸に抱き、本当に心から嬉しそうに笑う。そしてどちらからともなく唇が重なった。





それからしばらくして、式を開いた。星菜の希望もあって、6月になった。梅雨入りだというのに、随分爽やかな天気だった。窓から雲1つない空を見上げ、純白のドレスに身を包んだ星菜は笑う。


『きっと、空も私達のことをお祝いしてるんだね』


小さく微笑み、俺も笑った。そうして笑っていると、コンコンッと控室のドアがノックされた。ヒョコリと顔を出したのは、両親…ではなく、クソ川。


「岩ちゃん、星菜ちゃん、もうすぐだよ」

『ありがとう』

「なんでテメェが呼びに来んだよ」


わー綺麗!と星菜に駆け寄る及川を片手制する。ニヤリと笑うと、及川は言った。


「俺のに触るな、ってこと?」

「分かってんじゃねぇか」

『ハジメくん……///』

「じゃあ俺は先に行ってるからね〜」


ヒラリと手を振って行く及川。後ろ姿にため息を吐き、星菜を見る。じっと見上げる眼差しは優しい。


「っと、行くか」


星菜の手を取り、歩き出す。会場には花巻や松川もいて、それぞれの両親もいることだろう。


『ハジメくん』

「ん?」

『大好き』

「俺も」


囁くのは、愛の言葉。


全身全霊、君を幸せにする。


心の中、そっと、誓った。




The End.
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