Volleyball Boys 2《ハイキュー!!》
第12章 ★あなたの温度:菅原
射精後の脱力感に襲われ、星菜にどさりと覆い被さる。ベッドに広がる星菜の髪に顔を埋めれば、女子特有の甘い香りがふわりと鼻先を掠めた。
そのまま余韻に浸るように、お互いを抱きしめる。呼吸音だけが聞こえる暗闇の中、星菜の腕がそっと背中を撫でた。
『ごめんなさい。爪、立てちゃいました…』
「いや、平気。星菜の感じた痛みと比べたら俺のは何ともないから。な?」
唐突に田中と西谷が星菜と話していたことを思い出し、部活で着替える時に怒られそうでやだな~と呟く。プッと星菜は吹き、大地さんは孝支さんのこと怒りそうですね、と笑いながら言った。
事後処理を済ませ、星菜と2人で布団に潜る。星菜がもそもそと動きながら躊躇ったように言ってきた。
『あの、孝支さんの方に寄ってもいいですか?』
「お、ウェルカムウェルカム。ほいほい!」
腕を伸ばし、ポンポンと叩く。照れたように笑って、星菜はそこに頭を乗せた。確かな重みと温もりが、二の腕辺りから広がる。
腰に手を回して抱きしめると、星菜は俺の胸に両手を当て、それから頬擦りをする。
『孝支さん、あったかいです…』
「人肌って温いよな~。好きな人だと尚更」
ニヤリと笑って、だべ?と言えば、そうかもしれないですね、と星菜も笑う。
ポツポツと会話を交わすが、それも段々と途切れるようになり、ついには星菜の寝息が聞こえてくるようになった。
腕の中の愛しい彼女のおでこにそっと口付ける。くすぐったそうに身を捩り、再度俺に擦り寄ってくる。ったく、
「可愛すぎだべ……///」
写真を撮りたかったがそれこそ怒られそうなので止めておこう。星菜の寝顔を眺め、温度を感じているうちに、俺もいつの間にか眠りに落ちていた。
何年振りかに誰かと寝たからか、はたまた星菜の温もりのお陰なのか、その日はいつもよりぐっすり熟睡できた気がした。
そして翌朝。覚醒した星菜が隣で眠る俺に気付き、キャーッと悲鳴を上げたこと、それはまた、別のお話だったりする。
The End.