第6章 騒
一歩……また一歩…………近づくたびに
私の瞳から熱いものが溢れ落ちてくる。
演技じゃない…本当の気持ちが溢れ落ちて
山崎さんがボヤけて見える。
看護師
「奥さん泣かないで…旦那さん頑張って危ない峠を越えようとしてるんですから。」
みわ
「…」
看護師
「ここに運びこまれた時、
鋭い物で身体を貫かれたようで、それはそれは凄い出血で…
…服装からして仕事で何かあったのでしょうね……」
みわ
「………」
看護師
「……何かありましたらナースコール押して下さいね。」
そういうと看護師さんは部屋から出ていった。
私は山崎さんの側にいき、
寝ている山崎さんの頭を撫でた。
みわ
「頑張って……頑張って…山崎さん……
側にいるから死なないで…………………好きよ………」