第6章 騒
その日の夕方、
山崎さんの電話をなんとなく待っていても
なかなかかかってこない…,
なんだか胸騒ぎがして、
けんちゃんに伝える為に
隊士さん達の寝所ではなく詰所の方に走り出した。
足の傷が痛むけれど、
気にしてなんかいられない。
“パタパタパタ…”
イボ
「アンターーーーッ!!!走るんじゃないよぉーー!廊下は歩くもんなんだでに!!」
掃除中のイボさんと鉢合わせてしまった。
みわ
「す、すいません!!き、緊急で!!!!」
私は軽く頭を下げまた走り出す。
詰所までくると、
各部屋の扉を開け、けんちゃんを捜す。
みわ
「…ここにも居ない……」
更に厠や道場などいろいろ回ったけれどなかなか居ない。
仕方がないから近くに居た隊士さんに聞くことにした。
みわ
「す、すいません!!あの…一番隊の田中剣斗さん、今何処に居るかご存知ですか!?」
隊士A
「あ、佐藤さん!久しぶり、昼餉一緒に食べて以来だな。
ってごめん、
一番隊の田中剣斗?…あ、田中か。うーん、何処だろ?」
ご飯の食べ方が、お姉様と一緒だった事に驚いた隊士さんだ。
お久しぶり…だけど感動の再会を嬉しがってる場合じゃない!!
みわ
「どうしよう…緊急に伝えなくちゃいけない事があるのに……」
隊士A
「緊急??
それなら俺も一緒に探します!!」
隊士Aさんと分かれて詰所全体、寝所…
外出届けを確認したが結局見当たらなかった……
隊士Aさん
「はぁはぁ……ところで緊急の用って?」
みわ
「あの……」
山崎さんとの約束事を隊士Aさんに話した。
隊士Aさん
「それが本当なら大変だ!多分…絶対!!!
俺、屯所に居る隊長らに伝えてくるよ!」
私の話を聞いた隊士Aさんは血相を変え、
走っていってしまった。
それと同時刻、
何やら食堂がやけに騒がしくなっていた。
みわ
「山崎さん…….….どうしたんだろう?」