第5章 休
★ジミーストーリー★
これ以上、この変な生き物に構っていられないから
佐藤さんの手をとって歩きだそうとしたけど
あるはずの佐藤さんの手がなかった。
俺は焦って辺りを見渡す…
「!」
ヤバイ見失った!?
…と思ったら、
変なヤツが客寄せしていたジュエリーショップの
ショーウィンドウを真剣な眼差しで見ていた。
「良かった…」
最近やけに神経質になっている俺。
直ぐに最悪を想定してしまう…
無理もない
伊東が屯所に来てからずっと休む暇が無かった。
それにしても、
田中がどういう意図で佐藤さんの案内を俺に任せたのか分からないけど、
屯所裏で立ってる姿を見た時…疲れがぶっ飛ぶくらい嬉しかった…
「…何をそんなに真剣にみてんだろ?」
気になってお得意の忍び足で近づき、何を見ているのか確認する。
視線の先にあったのは、
佐藤さんが好きそうなダイヤが付いたハートのネックレスだった。