第4章 予
伊東
「僕が泣いているだと?そんなわけ…」
みわ
「泣いています…ゲホッ……」
私は片手で伊東さんを抱き寄せたまま、
片方の手で伊東さんの涙に触れた。
伊東
「僕は……何故……」
私は伊東さんを抱き締めながら、
天井を見つめる…
山崎さんが口をパクパクして怒っているに気が付いた。
【な……に……や………て……ん…………の】
(なにやってんの!?って言ってる!??
自分こそ何やってるの!何で助けてくれなかったの!!!)
負けずと口パクで応戦する
【ゴホッ……ほっ…ゴホッゲホッ…と……い…ゲホッゲホッゲホッ…て】
途中途中、咳出ちゃって伝わったか微妙だけど……
伊東さんは私の胸に顔を埋め、声を殺して泣いている。
私は出来るだけ強く優しく抱き締める。
天井の山崎さんも気になるからもう一度見る。
(´⊙ω⊙`)
もうそこには山崎の顔はなく、
元どおりの天井になっていた。