第4章 予
クリーニング屋から戻り、
ワイシャツを各隊長さんのお部屋へ置いていき…
最後の1着が手元に残った。
みわ
「…どうしよう……」
困ってしまって伊東さんの部屋の前で立ち尽くしていると…
?
「どうしたみわ」
けんちゃんが声をかけてくれた。
みわ
「………けんちゃん!
…えと伊東さんにワイシャツを渡したいんだけど…」
田中剣斗
「声…かけずらいのか?」
みわ
「えと…その…夜に持って来いって言われたんだけど、
女中の決まりで夜は無理だから……」
田中剣斗
「…分かった、それなら代わりに俺が伊東さんに渡しておくよ。」
みわ
「でも…」
田中剣斗
「気にすんな。ほら、預かるぞ。」
みわ
「けんちゃんありが……」
バフッ
私の手からけんちゃんに渡そうとした伊東さんのワイシャツが、
何者かによって床に払い落とされる。
田中剣斗
「!?」
みわ
「!!」
伊東
「僕は!!君に頼んだんだ」
みわ
「す、すいません…
あの、ですが…女中の決まりで……」
伊東
「決まり?…そんなものを気にして僕の指示通りに動けないのか?」
みわ
「………」
田中剣斗
「伊東さん!この辺で勘弁してやってはくれませんか?」
伊東
「…なんだ君は…」
田中剣斗
「女中にも厳しい決まりがあるんです!」
伊東
「ははは…君は知らないのか?
…君のような下級の隊士なら女中を夜に呼び出すのは叶わないだろうが、
僕は君とは違うのだよ。」
(そうだ忘れてた……隊長さん達は自由な呼び出しが許可されてたんだ…)
田中剣斗
「…ッ」
伊東
「分かったらさがりたまえ、一番隊の田中剣斗君。」
田中
「!!」
(けんちゃんのこと知ってた…)
(なんかよく分からないけどこのまま私が拒否し続けたら、
けんちゃんに迷惑かけちゃう気がする…なんとかしないと!)