第6章 強くて弱い心
「あの…錦戸さん………?」
突然引き寄せられた体に驚いて
そう声をかけた私に錦戸さんは
亮「今だけ……
今だけ俺が章ちゃんの変わりに抱きしめる…
やから少しだけじっとしといて…?」
そう言って
私を抱きしめる手にぎゅっと力を入れる…
そんな錦戸さんの言葉に
ただじっと抱きしめられた胸の中で
動けずに固まっていると…
亮「はい終了(笑)
今日はこの辺で帰るわ…。
でも何かあったらいつでも言うてよ?
俺は何があっても
まいちゃんの味方やから………」
そんな言葉と一緒に
抱きしめていた体を離すと
錦戸さんは部屋を出ていってしまう……
いったい今のは何だったんだろう…?
抱きしめられた時に聞こえた
錦戸さんの少し早い鼓動の音が
訳も分からず
私の耳にずっと鳴り響いていた……