第11章 専属護衛
「そう、それだ。それに受かる気もしないし、政治のことを難しく言われてもわかんねぇならなぁ。座学なら、やる気も出るんだけど…。」
「でももしかしたらガンハン、座学が強かったら、将来どこに衛兵の数を割くかとか考えるの強くなりしうだね。もしかしたら指揮官とかむいてるかもよ。」
ヘウォンの補佐をしながら共に作戦を練る彼らの姿を思い出す。
「指揮官ねぇ…」
ガンハンもまんざらではないようだ。
「でもまずはお前に追い付くことが先だな。」
「そうだよね、同期に先を越されるのは悔しい!」
ドマンも同意する。
「それに全然昇進できなかったら、2年目でも3年目でも研修に行くことになるからね。」
そういわれてみれば、ハヨンよりも年上の隊員が結構な数でいて、ハヨンが専属護衛となれたのは幸運だったことが改めて思いしらされた。
「いつか、一緒に護衛できる日が来たらいいな。」
「できるよ、ドマンなら。」
熱を込めて話すドマンに、ハヨンは頷いてみせた。
ガンハンのように体格が恵まれている訳でもないが、器用なドマンは、体術、剣術に優れている。
ハヨンは何度も彼が居残って練習している姿を見てきた。
彼ならきっと、己の夢を叶えることができるだろう。
「みんな集まっているかー。」
ヘウォンがガラリと武道場の戸を開けた。
みな一斉に喋るのを止め、姿勢を正す。
「じゃあ一週間後の研修について説明するぞ。」
みなは、ヘウォンの説明に聞き入り始めた。