第6章 城での生活
「流石に疲れた…。」
厩舎の掃除を終え、一人きりの部屋で寝台に寝転んでハヨンは思わずこぼした。
なれない訓練と重労働の掃除。ずっと腰に負担をかけていたようで腰骨が妙な熱を持っている。
(私は彼らにとって目障りなのだろうか…。)
ハヨンの脳裏にガンハンとドマンの教育係の顔が浮かぶ。
(もし私に嫌がらせをして白虎を辞めさせようとしているなら、決して屈しない。)
そんなちゃちな出来ごとで辞めようとするほどハヨンの決心はやわではない。
(いつか、あの人のために。)
ハヨンは襲ってくる睡魔に素直に身をまかせながら目を閉じる。
10年前に見たあの凛とした少年は。今はどこで何をしているのだろう。
彼女はあの幼いながらも風格のあった立ち姿を思い出しながら眠りについた。