第9章 自暴自棄と、大切な人と
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両親は、元々あまり仲良く無かった。
『なんで貴方はいつもそうなの!』
『お前に何がわかるんだよ!』
毎日の様に喧嘩をしては、どちらかが家を出ていく、という繰り返しだった。
そんなある日、出ていった父親が事故に合った。
幸い一命は取り留めたものの、後遺症が残り二度と歩ける事は無かった。
そんな父親をみた母親は毎晩泣いていた。
何を今更。
そう思った。家に居場所が無かった。
友達は多い方だったから学校に居場所があったのが唯一の救いだった。
その頃から私は夜に家を出る事が多くなった。中1の終わり頃だった。
その頃集まってた人達の中で、私の事を好いてくれた人がいた。
『付き合って』
顔も悪くなかったし、嫌いじゃ無かったけど、特別好きでもなかった。
『好きじゃないから、ごめん』
『じゃあヤらせて』
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