第25章 はい、アウト。
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ランチを終えて、家に帰る。
今日はなんとなくしゃぶしゃぶ。
光太郎はいつもの様に、美味しいって言いながら頬張る。
それを私が見て、微笑む。
全然不満なんてないのに、私っていつからこんなに欲深くなっちゃったんだろう。
光太郎から与えられて来たものが多すぎたせいだ。
口には出さない。
せい、じゃなく、おかげ、か。
勝手にそんなことを考えて微笑む。
光太郎が変な顔で私を見た。
「なんで笑ってんの?」
「んー?光太郎が可愛くて」
「可愛いし、かっこいいしな?」
「なぜドヤる…」
いつも通り。いつもの晩御飯。
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