第22章 春眠暁を覚えず、ってなに?
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案の定、早く仕事が終わり花屋に向かう。
「あら、かっこいいお兄さん、いらっしゃい!もしかして彼女にかい?」
「お!分かります!?全然花とか分かんないんで、教えてもらってもいいすかね?」
「彼女に~なんてお客さん、減っちゃったからねー!彼女さん、可愛いかい?」
「ちょーかわいいっすよ!」
あ、チューリップ。
てか、こん中にあるのチューリップしか分かんねえな…
このチューリップのピンク、ちょっと淡いけどかわいい。
「おばさん!このピンクのチューリップ!彼女っぽいんでください!」
「おや、チューリップかい。なら…紫のもどうだい?」
「うお!紫のチューリップなんて初めて見た!じゃあコレも!」
「お兄さん、その2つの花言葉、知ってるかい?」
「花言葉」
「その様子だと知らない見たいだね…」
花より団子な俺に、ましてやピンクのチューリップや、初めて見た紫のチューリップなんて分かるわけない。
ちんぷんな顔をしたのであろう、おばさんは得意気に花言葉を教えてくれた。
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