第21章 一足先に小春日和
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今日は休みだけど、久々に目覚ましも無しに綺麗に目が覚めた。
少し前まで寒かったのが嘘みたいに今日は暖かい。
陽の光が柔らかく感じる。
ベッドから出て、何気なく外を見るとやっぱり桜が咲いてる。
学生はそろそろ卒業式かー。
なんて、懐かしい気持ちになりながら光太郎を起こす。
「光太郎、起きて〜!し、ご、と!!」
全然起きない…自分で起きれるのか?
それを信じてほおっておいた。
少しして、光太郎がセットしていた目覚ましが鳴る。
光太郎の様にうるさい目覚ましは当の本人を起こすのに有効みたいで、顔を歪めながらもすぐに飛び起きた。
「おはよー光太郎。食パン焼くけど食べる?」
「…んー、食う…」
まだ完全には起きてないみたいで、ふらふらしながら洗面所に向かって行った。
食パンにマーガリンを塗って、少し砂糖をまぶして焼く。
光太郎にはコーヒー、私はミルクティーをいつも通り入れて食パンが焼けるのを静かに待つ。
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