第6章 アサシンデビュー
えっと、屋敷に入る扉を開けたらすぐ会場なのだから、扉の前から弾き始めなきゃ………
頭の中で動きの確認をしつつ、建物の影から屋敷の門にたつ2人の門番を確認する。
そいつらが話してよそ見してる間に撃って、殺してしまった。
私はバイオリンをケースから出しながら門を潜り、屋敷の扉の前に立つ。
扉に耳を近づけて、タイミングを計る。
ーーここしかないっ!!
「♪〜♪〜♫〜〜♪〜♪♪〜♬………」
曲を私が弾き始めると、すぐに扉は開いた。
私は弾きながら、屋敷の中に入る。
容易に侵入することができた。
「余興ってこんな時間にあったか…?」
と話している人に微笑みかけると、黙ってくれた。
広い会場内を歩き回って嘘くさい笑顔付きの演奏を披露する。
「素敵ね〜、なんていうバイオリニストでしょう⁇」
「とても綺麗なお嬢さんね、どこかのご令嬢かしら?」
なんて聞こえる中、私は大体の来客人数と扉の場所、家具の位置などを覚えた。