第12章 復讐の始まり
「ごちそうさまでした、美味しかったですよ」
激しくした分、最後はとてもとても優しいキスで締める。
「歯止め効かなくなっちゃいました、つい可愛くて。すみません」
まだ寝っ転がってる彼の耳元でそう囁くと、また顔を赤くしていた。
「そろそろ任務の準備をしなくては…。服、ここに置いておきますね?」
私が脱がせた服を拾って綺麗に畳み、ベットの隅に置いておく。
「それでは行ってきますね!」
「あぁ、気をつけてな。…待ってる///」
そんな彼を見て、やはり心がキュンとした。
どうやら私も新たな扉を開いてしまったようだ。
まぁ、何はともあれ女だってバレてないからいっか…
「ラリー、早く武器庫に行ってこいっ!もうすぐ集合時間だぞっ!」
トーンさんが部屋から出てきて廊下で鉢合わせになって、私は急いで準備をした。
「うわ、スーツって動きづらいですね…」
なんとか間に合った私はスーツの袖を引っ張ってもう少しゆとりを取ろうとしたがすぐに無理だと分かる。
結局、腕まくりをして解決した。
「しょうがないだろ、任務上俺らはSPのふりしたり、弁護士のふりしたり、にしてもお前……」
移動中、トーンさんは私をジロジロと見る。
「チビだし、髪色明るいし、なんか似合わねえな…」
と、暴言の嵐である。まさに言いたい放題だ。
「あ、俺いいもん持ってますよー!」
そう言ったのは初めて共に任務をする人だった。彼がくれたのは伊達メガネ。
それをお礼を言って受け取り、早速かけて見る。
「あー、マシにはなったかもな。でも、ラリーに貸したら血まみれで帰ってくるぞ」
「前の任務で1人だけ真っ赤になったらしいっすね。シルダさんがめっちゃ笑ってた」
うん、なんか想像できてしまって笑えてきた。
もうそろそろ彼らは任務を終え、帰ってくる頃だろう。
「ま、いいよ。安いし。遠慮なく染めちゃって〜」
この軽めの感じは何かデジャブだが、きっとアリスさんだろう。
「さて、マットとテトラはすぐに標的を守る本来のSPを殺す。んで、なに知らぬ顔で俺らが代わりのSPのふりをする。
まぁ、後は適当にラリーが殺してくれ「えっ、ちょ!そんな無責任な……」
なんて適当な作戦で我らは挑んだ。