第12章 復讐の始まり
ちなみにラリー ストラグスという偽名は、ステラさんのファミリーネームであるローレンスの愛称のラリー、そしてステラを少しイジってストラグスにした。
「くれぐれも死なないでね、あと女をあんま使わないでよ?」
「前者は守るけど、後者は無理かな。たまにあの家に行って私がいるフリをしといてね」
最後に固く抱きしめ合うと、私は宿を出て敵地へと向かった。
馬車に乗り、隣町のはずれの森の入り口にまでやってきた。
「お客さん、そこの森はベテランでも迷うから気をつけなよ」
そう言って馬車はまた町の方へ戻って行った。
この森を抜ければキングダム商会のアジトがあるらしい。
時刻は午前11時、直線的に行ければすぐに抜けれるはずだ。
草木を避けつつ、私は森の中へ入って行った。
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「うわっ、これ迷ったかも……」
私は一本の木に手をつき、辺りを見回した。
先ほど印をつけた木と反対方向に向かったはずがまたこの木のところに戻ってきてしまった。
はー、困ったなぁ。無駄に動いても意味ないし…
なんて思いながら私は空を見上げる。
ガサゴソ、ガサゴソ…。
どこからか音が聞こえ、私は視線を前に戻すと茂みが激しく揺れていた。
銃を構えて、的を絞り目を凝らした瞬間____。
何かが茂みから飛び出してきた、おそらく獣だと思ったので襲われる前に殺しておく。
あ、これイノシシか…食料ゲットだ!
どう運ぼうかとか売ったほうがいいか、などと考えていた。
その時、後ろからダダ漏れの殺気と銃のガチャッという音がした。
やばい、これ撃たれるやつだっ!
と思いながら咄嗟にしゃがむと目の前の木が弾を受けていた。
「ほーう、今のを避けるか。なかなかやるな」
などと言いながら銃を撃ちまくりなので私はイノシシを盾にして逃げ回る。
「ちょ、お前っ!そのイノシシ盾にすんなっ!俺たちの食料だぞ」
しかし急に攻撃は止み、抗議してきた。
「お前が勝手に撃ってきたんだろ‼︎てか、俺がこいつを殺したんだ!」
「俺が狙ってたのにお前が横取りしたんだ、返せよっ!」
そう言って奪おうとしてくるのでまた私はその手を避ける。