第8章 忍び寄る恐怖と出会い
「アオメ〜!アオメ〜!どこ〜?」
その後すぐに一定のリズムで私の名を呼ぶクレナさんの声が聞こえた。
後ろから回れるだろうか…
テーブルから天井に吊るされていた大きなランプによじ登る。
キッチンにやってきたクレナさんはすぐにメルロさんに気づく。
彼の元へ寄った瞬間、私は獲物を狙うが如くランプを蹴った。
もう彼のうなじに手が届く、その時ー。
クレナさんは振り返り、すぐに体を仰け反らせた。
「あれ、アオメ?なんで俺を狙うの?」
「守らなきゃいけないものがあるんです」
「なら、俺らは敵なんだ〜」
なんて会話をしながら、クレナさんは微笑むとナイフを構えた。
「冗談、とかじゃないんだよね?うっかり殺しちゃっても何も言えないよ?」
彼がそう言うとじわじわと粘っこい殺気を感じた。
「そっちこそうっかり殺されて、ステラさん達に遺言を残せないんじゃないですか?それでは、参ります」
私の言葉を合図に戦いの幕は降ろされた。
「今ならアオメのこと殺しても責められないんだよね?」
「前から殺したかったんですか?」
「ううん、ただ本気で闘いたかった」
クレナさんはそういうと、先ほどの私のようにランプにぶら下がる。
お得意のにっこりスマイルも健在だ。
「ーなら、本気で戦ってあげますよ?」
私はキッチンにあった全てのナイフをランプの方に投げ、予測していた方向に動く。
すると、丁度そこにクレナさんがやってきてまさに狙い通り。
「…勝負ありですね」
そう言うと同時にメルロさんと同様、気を失わせて優しく床に寝せといた。
さてと、1番の本題に行かなければ…
私はだんだん近くなる破壊音に向かうと、血を流してるミカが見えたのですぐに駆け寄る。