第3章 仮面の裏◻︎
赤葦side
“私と同じ眼をしている”
“同類”
佐賀美優華
人より一段と可愛くて友達がたくさんいて女の子って感じのコ
だからこそ動揺した
佐賀美も組の末裔だった。俺がまだ小学生の手前くらいのときここら辺は佐賀美という組が支配していたらしい
でも何者かによって佐賀美の本部が放火され取り引きしていた薬のルートがバレて組は解体せざるを得なかったと聞いた
もう昔の話だからわすれていたけど佐賀美って苗字で思い出した
俺と同じ境遇であると分かった瞬間に興味がわいてきた
小柄で可愛らしいこの子が俺と同じヤクザの家庭
少しだけ人間らしい欲が出た
「佐賀美優華…」
両親が死んでから初めて人間に興味を持ったかもしれない
それはきっと佐賀美も同じだと思う