第9章 SIX
「クククッ」
「櫻井くん、笑わん取って下さいよ〜」
「いや、大倉が久しぶりに年下に見えたからね。
白元さん、俺らのマネージャーどう?」
「「えっ?」」
どう?って!
何、櫻井くん誘ってんの!!?
「あかん!あかん!!」
「何で?ダメ?」
「ダメや、えっと・・すばるくんのお気に入りやし、ね!」
慌てて目に付いたすばるくんの名前を口にする。
「へーぇ、すばるのお気に入りか・・・」
櫻井くん、怖いで・・
口調は優しいのにめっちゃ怖い!
でも、ここで冗談でも安請け合いしたら後でメンバーに何て言われるか考えるだけでも寒気がする。
「ねぇ、白元さん。
俺達、どっかで会ってない?」
「・・スタジオでお会いした事がありますよ」
「そうじゃなくて、その前。
1〜2年前?どこかで会った様な気がするんだよね」
おーっと!
今度はナンパ?!
辞めてや、俺の前でほんま、辞めてーーっ!!
「櫻井くんお願い!
白元さん、誘惑せんといて!」
「そんなんじゃねぇよ。
ただ、マジどこかで会った気がするんだよな」
「・・・人違いじゃないですか?
櫻井さんにお会いしていたら忘れませんし、ね」
微妙に白元さんの様子が変だ。
言葉数が少ない。
もし、櫻井くんと会った事があるなら俺たちに会うかなり前。
秘書してた時代やろ。
うん?
秘書って誰の秘書や?
どこの会社?
聞いてへん事に俺は、今更気付いた。