第8章 FIVE
「今日な、ヤスが言ってたんや」
突然、話題を変え話し出したマルちゃん。
それもヤスの話や。
「喧嘩するの止めようなって・・
殴り合いとか止めようなって・・・」
「俺らケンカするのは当たり前やけど殴り合いなんてせーへんやん」
俺の言葉に横山くんも頷く。
「やろ?おかいしねん。
それも、ケンカやなくて喧嘩ってヤバ目なニアンスで言うねんで」
いやいや、ケンカと喧嘩のニアンスの違いがわからへんでマルちゃん。
けど、マルちゃんの表情からヤスが普段と違ったんやと俺はだんだん不安になってた。
「一緒にいた亮ちゃんにもゆーてるんや。
外で喧嘩せんといてって・・」
亮ちゃんならありえるな。
ヤンチャだから隠れてやってそうや。
それにあのスキャンダルはもう勘弁して欲しい。
「それもあずみさんがおらん所でゆーてんねん。
ヤスが何考えてるか、俺わからへん」
「・・とりあえず、殴り合いしなきゃええんやろ?」
横山くんの言葉に戸惑いながら頷くマルちゃん。
まぁ、マルちゃんが心配するのも無理がない。
あのヤスがゆーてるんやからな。
何かわけがあるはずや。
俺のところにも言いにくるやろーか。
そん時は理由聞いてみるか。
俺はその時、安易に考えてたんや。