第3章 ZERO
事務所内を簡単に案内され、デスクを用意するからと待たされた。
とりあえず、用意された資料をパラパラと捲る。
添付された彼らの写真。
今時の顔立ちをしていた。
流石、この事務所・・
今後、1年分のスケジュールはぎっちり詰まっている人もいればチラホラ隙間がある人もいる。
売れっ子なのか普通なのかイマイチわからない。
「・・・ねぇ、」
立ち上がった私はパーテーションの上から顔を出し事務所内にいた人に声を掛けた。
「はい・・・?」
「この子達の昨年のスケジュールと誰でもいいから売れっ子のグループの昨年のスケジュール見せてもらえますか?」
私の突然な要望に戸惑いながらもバタバタと用意してくれた。
礼を言い、早速資料を捲っていく。
それから2時間、デスクに案内された私は今後のスケジュールや彼等の性格など頭に叩き込んだ。
「ふぅーっ」
目処がつき、私は眼鏡を外し首を回した。
厄介なのはこれからだ。
まだ、ちゃんと確認していない封筒。
大っぴらに出来ない出来事が書かれた内容は、憂鬱だ。
ふと、帰り際に言われた社長の言葉が思い浮かぶ。
『来年大きな仕事の話がある、よろしく頼むよ〜』
夏場に放送される生番組。
まだ、内々の話。
だけど、そのメインパーソナリティに決まれば彼等を次なるステージに誘うのは確実だった。
だからこそ、今が大切な時期。
下手なスキャンダルは命取りだ。
関ジャニ∞。
7人組ジャニーズグループ。
これから私がマネージメントをする子達だ。