第5章 TWO
ー渋谷sideー
「お疲れ様でした」
「お疲れ〜
あけおめ〜」
「明けましておめでとうございます」
カウントダウン、第二部も無事終わった。
心地良い達成感。
スタッフの声に返事を返しながらメンバーと楽屋に入る。
みんな満ち足りた顔をしていた。
「お疲れ様です」
そう言って、差し出されたカップ。
微かに湯気が立っていた。
「・・おん」
人肌より低いぬるめのお湯に、ほんのちょっと香る柚子と蜂蜜。
冷たい水をがぶ飲みしたいが有無を言わさず差し出されたコップを受け取った。
いつからやったんかは、わからへん。
他のメンバーは気付かねぇのにそっと添えられた喉に優しい飲み物や食べ物。
人一倍、喉のケアはしてるつもりやけど、それでも疲労とストレスで蓄積される喉への違和感。
それをこの地味子は気付くんや。
山田に履歴書を手入れろと言ってんのに、あれから何も報告せん。
まぁ、年末でドタバタしてたんのもあるやろーし。
山田より気がきく地味子を最近では、何も思わんよーになってたんや。
「なぁ、初詣行こや」
「おん、たまには章ちゃんもいい事言うやん」
ヤスの提案に亮が乗り、みんな行く気満々や。
初詣って何年振りやろ・・
それもみんなで行くのは、ほんま久しぶりやな。