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【トリップ】全てを知っている私が!【暗殺教室】

第1章 まさか!私がトリップ!!?


「……や、やっと終った……」

4時間目のチャイムが鳴り終わり、帰宅の時間だ。

「テストの日は給食ないから楽だね〜」
「私受験生なのに大丈夫かな…」
「でも古文以外は得意でしょ?」
「古文が壊滅的っていったら怒る?」
「京香らしいなって思うよ」
「デスヨネー」
みんながわらわらと教室から出てゆく。

「……あ、仁君……っ!」

ひとしくん、の声に私はゆっくり振りかえる。

「菜津」

今菜津の名前を呼んだ背が高い彼は、菜津の彼氏さんだ。

「仁くんどうしたの……?」
「いや、今日一緒に帰れるかなー…って。珍しく委員会無くて」

菜津がこちらをちらっと見る。

「あーもう! 早く帰りなよ!! 私は1人で帰るから!」
私は菜津の背中をグイグイ押した。

「じゃ、じゃあ明日ねっ! 京香!」

慌てて、でも少し嬉しそうに仁君の顔を見る菜津。

あー私も付き合ったりしたい。



菜津が出ていって、私は教室に1人残っている事に気付いた。

「さーて、私も帰ろ」

少し独り言が大きく響く教室で、筆箱や教科書を漁る。

(よし、全部いれたよね……)

「ん??」

そこには私が昨日まで読んでいた暗殺教室のファンブックがあった。


「朝入れちゃったんだっけな…?」

あまり記憶はないけど、このファンブックは私も持っている。

ふと、しおりが挟まっているのに気が付いた。

(これ…私のしおりだ)

これはやっぱり私のだったのか。

パラリとページをめくる。

そこは1番最初の…あらすじの所だった。

『ある春の日の始業式…椚ヶ丘中学校3年E組に突如黄色い生物(タコ)が現れた! 生徒に言い渡された使命はこの黄色いタコであり担任の超破壊生物を殺す事で!?』

「……ふふ。殺せんせーかー…」

私は何の気なしに呟いた。
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