第13章 修学旅行の時間!
「ですが移動と旅行は違います。皆で楽しみ、皆でハプニングに遭う。
先生はね、君達と一緒に旅できるのがうれしいのです」
私が行った修学旅行とは違う、暗殺も兼ねた盛り沢山の暗殺旅行。
皆で行く場所を話して、スケジュールを作って……。
楽しい!!
渚君も見るからにウキウキしてるけど……
私もかなりウキウキしていた。
そして、私はその日の放課後、何故かイリーナ先生に教員室に呼ばれた。
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「あの〜、なんで呼ばれたんですかね、私」
殺せんせーがいないだけで随分広くなる、この教員室。
「聞いたのよ、カラスマから」
ぶりっ子しなくなったイリーナ先生は、かなり話しやすい。
「アンタが……別の世界から来たって」
「か、烏間先生。言ったんですか」
「……すまない。言うつもりはなかったのだが…修学旅行の旅費の電話を聞かれてしまってな」
「そうでしたか……」
いや、まあいつかは言おうと思ってたからいいけどね!
「あの〜、それで……信じてくれましたか?」
「信じられると思う?」
イリーナ先生はわりと本気の顔をしていた。
「…まあ、そうですよね。烏間先生はいいとしても、私が転校してきた後…イリーナ先生は来たんですもん」
そう、そうなのだ。
だから信じてくれないのは仕方の無いこと。
私は軽く俯いた。
「……でも、カラスマが嘘つくタイプじゃないのも、京香がいい子なのも知ってるつもりよ」
「……イリーナ、先生」
烏間先生は目を閉じて黙って聞いている。
「だから、信じてあげる。それと、未来の話を言えないって言うのも」
「……ありがとう、イリーナ先生」
最初、あなたの回を読んだ時、『大丈夫か』って思ったけど。元々イリーナ先生は真面目だもんね。
「ふん、別にいいわよ!」
イリーナ先生はプイっと横を向いたが、全く怒ってるようにみえないので、私は微笑んだ。