第8章 毒は不器用。
次の日。私は少し……いや、かなり眠い目を擦って学校へきた。
「アハハ、どうしたの東尾さ〜ん、眠そうだね」
「岡野さん……おはよぉ〜…」
「すごい顔になってるよ」
玄関で会った岡野さんに挨拶。力なく教室の扉を開ける。
「あ、京香! おはよー!」
茅野ちゃんがぶんぶん手を振ってくる。
「おはよぉ〜…ってあれ、それ何……」
「なんかね、愛美ちゃんが殺せんせーと作ったやつなんだって」
「そうなんです! これが一番効果があるらしいので、宿題でやってきました!」
……ああああああ! あれか!!
「毒物の正しい保管法まで漫画にしてある。相変わらず殺せんせー手厚いなぁ」
渚君がお手製らしいマンガをみて言う。
「きっと私を応援してくれてるんです。国語なんてわからなくても、私の長所を伸ばせばいいって」
そこへ殺せんせーが教室に入ってくる。
「あ、来たよ。渡してくれば?」
「はい!!」
愛美ちゃんは笑顔で殺せんせーの元へ近寄った。
「先生、これ……」
「さすがです…では早速いただきます」
殺せんせーの目が、一瞬光った気がした。