第14章 君への想い
翌朝、目が覚めると腹痛に襲われた俺。
何度かトイレに駆け込み何とか落ち着いた俺に智くんが申し訳なさそうに眉毛を下げ謝る。
「ごめんね翔くん…」
ベッドで横になる俺をベッドの縁に座る智くんが心配そうに見下ろす。
俺の頭を優しく撫でてくれる手が気持ちいい。
「大丈夫だから、そんな顔しないで」
「でも、せっかくの休日なのに…」
「どうせ今日は荷物を準備する予定だったから特に予定立ててないし。
それに智くんに抱いて貰えて幸せだったよ?だから智くんにそんな顔して欲しくない」
「翔くん…」
「暫く会えなくなるんだから笑顔の智くんを見せてよ」
「うん、わかった」
そう言うと漸く笑顔を見せてくれた智くん。
「ねぇ、もうひとつお願い聞いてくれる?」
「もちろんいいよ?ひとつと言わずいくつでも言って?」
「今日はこのままゆっくりしたい…」
「うん、いいよ?こんな状態で翔くんのこと帰すつもりはないからゆっくり寝てて」
「ありがと…でね、離れてる間も智くんの体温覚えていたいんだ…少しの時間でいいんだけど一緒に寝てくれる?」
そうお願いすると智くんは少し目を見開いたあとフニャッと笑い
「喜んで」
と、言って布団に潜り込んできた。俺の頭の下に腕を差し込むと優しく抱き寄せてくれる。
「翔くんが頑張ってる姿、ずっと観てるからね?」
智くんの優しい心音と体温と幸福に包まれながら深い眠りに落ちていく。
fin