第13章 pray
「なに?悩みって…」
智くんは手に持ってるビールの缶を弄りながらうっすらと微笑みを浮かべながら話し出した。
「ニノと相葉ちゃんって幼馴染みみたいなもんじゃん…でもさ、嵐を結成した頃からニノは相葉ちゃんに特別な想いを持ち始めたんだ。
もちろんそんなことは本人に言えないだろ?けどメンバーとして近くにいなきゃいけない…忘れたくても忘れられないんだよ…好きな人が近くに居るのに苦しいんだ」
そう言った智くんもなんだか苦しそう。
「限界だったんだろうな、ニノ仕事以外で相葉ちゃんと距離を置いたんだ…そしたらさ相葉ちゃんが気が付いたらしい、自分にとってニノが特別な存在だって…そうなると相葉ちゃんは早いよね、ニノに速攻告白したんだよ…
ニノはさ『悩んでた自分が馬鹿らしい』なんて言ってたけど顔は笑ってんの…ニノの苦しんでる姿見てただけにあの時はほんと嬉しかったな」
話終えた智くんの表情は優しく微笑んでた。
「智くんはずっと前から知ってたの?ニノが相葉くんのこと好きだって」
「うん、知ってたよ…ニノと俺って似た者同士だから」
「どういうこと?」
智くんとニノが似てるなんて思ったことない、まぁ体型と歌声は似てるかなぁ、って思わなくもないけど。
それは関係ないよね。
「俺もニノと似たような想いをしてるってこと…それをニノに気付かれて、同類で憐れみ合ってたの」
「智くん、好きな人いるの⁉」
ちょっと、というかだいぶ驚いた。
「そんな驚くなよ、俺だって好きな人くらいいるし」