第11章 One Step
翔くんをバスルームに連れていって着替えを用意して自分もシャワーを浴びようと浴室に入った。
「え、一緒に入るの?」
驚く翔くん。
「入るよ、俺も汗かいたし」
「一緒じゃなくても…」
「なんで?ひとりで待ってたら寂しいし、時間短縮出来るじゃん」
「寂しいって…それに智くんそんなせっかちじゃないでしょ?」
「今は早く翔くんに触れたいのっ」
「なにその理由」
「もういいから早く座って、体洗ってあげるから」
「いいよ!自分で出来るし」
慌てる翔くんが可愛い。
「俺がやりたいのっ、座ってよ」
ノロノロと椅子に座った翔くん。ボディーソープを掌に出して泡立てた。その手で翔くんの肩から背中そして脇腹を撫でる。
「あっん!何で素手なの?くすぐったいんだけど…」
「だって直接触りたいんだもん」
そう言いながら翔くんの背中にピタリとくっつき手を胸に這わせた。
「あっ、やめっ…」
翔くんが手を押さえようとするから翔くんの正面に回り左腕で翔くんの体を抱きしめ右手で更に体中を優しく撫で洗っていく。
「あ、さと、や、めっ…」
翔くんの顔を見ると頬を紅潮させ瞳が潤んでる。
「気持ちいい?」
首を横にブンブンと振る翔くん。
「ふ~ん、そうなんだぁ…素直じゃないねぇ、今日は自然に触れたんだから素直にならないとね?」
キスをして舌を差し込むと翔くんは吸い付くように舌を絡めてきた。体は正直なのになぁ…
「んっ、ふっ…ん」
翔くんから甘い息が漏れだした。
唇を離し動かす手を止めもう一度翔くんに聞いた。
「気持ちいい?」
うっすらと目を開いた翔くんはそれでも首を縦に振らない。
「そっか、じゃあ終わりにする?」
翔くんから聞きたいんだ、俺を求めてくれる言葉を…
「や、だ…や、めな、で…」
瞳を潤ませた翔くんから漸く聞けた言葉。
「気持ちいい?」
コクンと頷く翔くん、再び手を這わせキスをする。
「んっ、ん…ふっ…」
完全に蕩けきった翔くんを見て俺も我慢の限界…
急いでシャワーで泡を流し、浴室から出るとバスタオルで翔くんの体と自分の体を拭く。翔くんの手を引いて寝室へ向かった。
ベッドへ上がり翔くんを押し倒すと両脇に手を着いて覆い被さった。そのまま翔くんの顔を見つめていると翔くんの方から腕を伸ばし俺を引き寄せた。