第8章 救世主◎
次に目が覚めた時、
私はどこかの家のベッドにいた。
相変わらず、縛られているのですが…
ただ違うのは手を背中に縛られているか頭の上で縛られてるかの違いだけ。
「コホッ…」
「起きたか」
声をした方をみると、昨日の大男が立っていた。
「お腹空いただろう?食べさせてやろう」
私の口に当てていた布を外すと、スープを口元に持ってきた。
「コホッコホッ…いりません…」
「要らないってことないだろ」
と、無理矢理私の口にスプーンを入れる。
「コホッ…ゴクンッ……」
「よく飲んだ、偉いぞ」
体調も悪いし、この状況で食欲がわかないせいか、食事をしたいと思わなかった。
「解いてください」
「そう言われて解く誘拐犯がどこにいる」
それもそうだ。
でも、どうしてこうなったかぐらいは聞いてもいいかな。
「そうですよね…コホッコホッ…コホッ…あの、どうして…誘拐なんて」
「知りたいか?」
「…はい」
すると、大男は椅子に座り語り始めた。