第7章 後悔と期待
「震えなくてもいい。悪いようにはしないから、な」
そういって、私の髪の毛を触る。
恐怖感が私を襲う。
「盗まれた分、盗み返しただけだ」
盗まれた分…?
この人は何を言っているのだろう。
「明日が楽しみだな」
そういうと、大柄の男は出ていった。
1人は嫌だけど、今はいなくなってホッとした。
…とにかく、ここからでなきゃ。
とりあえず、出口は…
そこのドアとあの窓の二つだけ。
「コホッコホッ…コホッ…」
苦しい……頭がぼーっとする。
…あ、薬飲んでない。これはまずいかもしれない。
私は、そのまま意識を手放す。
どうしてこうなっちゃったんだろう。
…誰か、助けて…助けに来てよ。
ねぇ、バンどこにいるの?
早く帰ってきて。