第5章 ‐4‐
ヒナタくんは遊んでるうちに疲れたのか、
ソファーで寝ている。
カオルくんは相変わらず剣くんに弄ばれてる。
「ただいま」
「あ、お兄ちゃん!」
小さな声で帰りを告げるお兄ちゃん。
私が玄関に行くと、
お兄ちゃんは優しく笑った。
「いろいろ先生に頼まれたから、
少し遅くなったよ、ごめんな」
「ううん、平気!
愛澄ちゃん委員会だったからみちるくんに
送ってもらったの!」
するとお兄ちゃんから笑顔が消え、
私を急に抱きしめた。
「え、どうしたの?」
お兄ちゃんは無言のまま。
強くギュッと抱きしめて、
「....、ダメだよ詩乃」
そう言った。