第1章 プロローグ
それから施設に移ると、私とお兄ちゃん。
ずっと一緒に居た。
私がちょっとでも離れると、お兄ちゃんは慌てて追いかけてくる。
そんな状態から約5年。
ある家族がやって来た。
『家においで。2人とも』
優しいお母さんと、お父さんによく似ていた。
嬉しくて抱きついた。
けれどお兄ちゃんは、
『....こんなの、俺は認めない。家族は詩乃だけだ』
城宮家には4人の兄妹が居た。
長男、次男、三男、長女。
仲良くなれるかな。
もう一度、昔みたいに家族として過ごせるかな。
そんな想いを胸に、私はお兄ちゃんと城宮家の家に入った。