第1章 プロローグ
それは大海賊時代が始まるよりも遥か昔。
最早いつから語られているのかすらわからないほど、昔から海を渡る者に伝わっていた伝説。
海神伝説。
月の光を集めた銀の髪と
太陽を浴びた鮮やかな海の瞳で
海とそれに通ずる全てを制す。
その血を啜れば、平和な航海を。
その身を得れば、海の強者となる。
そして・・・
その心を得た者は、海の祝福を得る。
時は流れ、
その伝説を知る者は減り、思い出す者も少なくなっていった。
海神さん
海神さん
その血を一滴、くだしゃんせ~。
海神さん
海神さん
その腕一つ、くだしゃんせ~。
残ったのは、この不気味な歌のみ。
海神さん
海神さん
いずこに生わします~
その身を分けてくだしゃんせ~・・・。