• テキストサイズ

政略結婚から始まる恋

第3章 過去side隼人


高等部2年に上がった頃、同じクラスの高篠雄輝というやつが俺に声をかけてきた。

「木之本って猫かぶってるだろ」
「は?」
「俺見ててわかるんだよなー。木之本の笑顔心から笑ってないって。」

正直図星だったが、何言ってるんだこいつと思った。

でも雄輝と話してる時は素の俺でいれたし、勘の鋭いあいつに隠し事なんて出来なかったから、一緒に居るのがとても心地よくて、俺らはすぐに親友になった。

相変わらず、他の奴らに対しては今まで通り王子様キャラでいたけど。

でもあの時、あの女とぶつかった時には気が抜けてて、表の俺なら
「大丈夫?怪我は無かった?ごめんね?」とか言っただろうが、
素の俺で、「イッテー。今ぶっかったんだけど」と言ってしまった。

ほとんどの女なら「こちらこそごめんなさい。でも木之本くんとぶつかったなら嬉しいですわ」とか意味の分からない事を言って、そこからさらに話をしだしてくるが
その女は違った。
「すみません」の一言で去っていった。
俺に見向きもしないで。

後から知ったけど、それが桜との初めての出会いだった。
/ 22ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp