第2章 過去
青蘭学園は俗に言うお金持ち学校で、財閥や大手会社のご子息ご令嬢が多く通っている。
初等部まではみんなよく分かってなかったけど、中等部に上がってそれぞれ家の事を知るようになって。
付き合う相手はまず家の取引相手先の息子や娘と。
一ノ瀬家は学園の中でも財力は上の方だし、業績もトップクラスだったのでみんな媚をうるように挨拶していた。
なんでもすぐ信じちゃう私はそんな上辺だけの付き合いなんて知らなくて、
仲良くしてた子が私のいないところで
「 なー最近一ノ瀬さんと一緒にいないよな」
「だって一ノ瀬さんの家今業績悪化してるでしょ。パパもあそことは取引やめるって言ってたし、もう付き合う必要ないじゃない」
「うわーひでーな。」
「ひどいって。あなたも家の事を考えて友達選んでるくせにそんなこと言わないでくれる」
大好きだったお父様とお母様が亡くなった悲しみにさらに追い討ちをかけるように、
そんな会話を聞いてしまった。