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スパイラル 〜螺旋の先〜【気象系BL】

第6章 Firefly


【智side】

目の前のベッドの上で、翔くんに股がった松潤の顔が、ゆっくり降りていく。

「……や、めろ……」

涙で滲む視界の向こう、君は観念したように目を固く閉じて。

「……お願い…やめて……」

見ていられなくて、無意識のうちに後ずさった、けど。

「出てくの?だったら、相葉くんに連絡するよ?いいの?翔くんが必死に守ってきたあんたが、それをぶち壊すんだ?」

松潤の言葉に、その場を動けなくなった。

翔くんが、守ってきたもの。
こんなに屈辱的な行為を受け入れてでも、まだ守ろうとしてるもの。
それは……

「……お願い…もう、やめて……」

松潤の唇が、翔くんのそれに重なる。

俺はぎゅっと目を瞑って、その場に蹲った。

くちゅっという水音が聞こえて、耳を塞ぐ。

「ほら、ちゃんと見てなよ?あんたの大事な翔くんが、他の男の手でイカされるところ」
「……んっ、あっ……!」

俺は必死に首を振る。

「もう、やめろって!終わったんだよ!翔くんとは、もう終わった!もう二度と二人で会うことなんて…」
「だったら、なんで今日会ってんだよ?」
「それは…!」
「別に良いじゃん。これからは3人で楽しめば。ニノと相葉くんに内緒でさ。あんたらが今までやってきたことと同じだろ?」
「ふざけんな!そんなことっ…!」

思わず目を開いて。
ベッドの上から、目が逸らせなくなった。

松潤が、俺の方を見ながら、まだ萎えたままの翔くんのものを見せつけるようにゆっくりと口の中へ収めていく。

そのまま、顔を上下させて。
翔くんのそれが、段々と大きくなっていくのが、見えて。

「…んっ……ぁ……」

白くなるほどにシーツを握りしめながら、堪えきれなかった喘ぎ声が、漏れる。

ぞくり、と全身が粟立って。
身体中の血液が、沸騰したように熱くなって。
……そこに、集まってくようで。

「……頼むよ…もう、やめてよ……!」

目を閉じて視界を遮断しても、翔くんの白い肌が脳裏に浮かび上がる。

耳を塞いでても、微かに聞こえる艶かしい喘ぎ声が、勝手に体温を上げていく。

松潤への、怒りと。
こんな時に疼いてしまった、自分への侮蔑と。

翔くんへの、罪障感と。

ごちゃ混ぜになった感情のまま、俺は為す術もなくただ涙を流しながら。

悪夢のような時間が過ぎ去るのを待つしかない。




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