第3章 Kagero
【翔side】
相葉くんに付き合うことを伝えたら、
肩を震わせて泣いていた。
何度も、嬉しい、とありがとうを繰り返して泣きじゃくる相葉くん...
そんなに、俺のことを...?
相葉くんは、いつも一生懸命で、
周りの人に気を使える人で、
誰にでも優しくて一生懸命だから、
相葉くんのことを嫌いだとか、悪口いう人なんか、聞いたことなかった。
俺も実際、そんな彼に助けられている部分多くて、屈託のない明るさは、俺の憧れでもあった。
だからきっと、彼のこと愛せる...
一緒に居るうちにきっと。
ニノは、たぶん智くんのこと、ずっと好きだった。
でも、あの性格だから、なかなか言えなかったんだろう。そのニノが、告白したなんて...
ニノならきっと、智くんのこと幸せにしてくれるはずだ...俺なんかよりもずっと。
......これでよかったんだ。
こうすることが、みんなが幸せになる方法なんだ。
智くん...
君のことが好きだった。
何で言えなかったんだろう...
好き...そのたった一言が言えなくて...
智くん...
どうか、ニノと幸せになってくれ。
そして今日は月曜日。
いつもなら、智くんが家で待ってるって思うから、どこか嬉しくて、楽しみで...
画面の向こうで、観ててくれる人がいるって、そう思うだけで幸せな気持ちになれた。頑張れた。
でも、もう、きっと君はこない...
「櫻井さ~ん、ネクタイ、新作いくつか入れときましたよ~気に入ると思います♪」
「ああ、ありがとう...」
いつものスタイリストさんは、俺がネクタイにとても拘ってるって、そう思ってるみたいで。
...正直、もうどうでもいい...何でもいい...
俺は何本もあるネクタイから、ブルーのネクタイを手に取った。
比率でいったら、断然ブルー系のネクタイを締めることが多かった。
こんなことになるんだったら、もっと君に...
智くんに抱いてもらっとけばよかった。
......今更後悔しても、遅いけどね。
ZEROも終わり、何となく真っ直ぐ帰りたくなくて、スーパーとコンビニに寄って貰い、マンションに帰りついたのは、もう1時半を回っていた。