第13章 キミの夢を見ていた
【和也side】
午後から新CMの発表会があり、控え室に入っていくと相葉さんが来ていた。
「おはよー!ニノ。夕べ大丈夫だった?」
「あ〜..もう、ちょっと小さい声で話せないかなぁ〜..煩いんだよね///」
そう。
俺は、夕べ遅くまで、この無駄に元気なこの人と、松潤と3人でしこたま飲んで。
俺の許容量越えたんだろうね〜。途中までしか記憶なくって。
気がついたら、松潤とベッドで寝てたって訳。しかも半裸。
慌てて飛び起きたけど、パンツはしっかり履いてたから、何もなかったとは思うけどさ。
相葉さんは知らないから、面倒くさいし、このまま黙ってようと...
「あれ?ニノ、そんなTシャツ持ってたっけ?」
....そうだ。この人、変なとこちゃんと見てるんだった。
「なんだよ!俺だってね、お前の知らないTシャツの1枚や2枚..」
「あ〜、それ、俺んの」
....あちゃ〜///ヘッドフォンしてるから、聞こえてないと思ったのに。
「え―――っ///松潤んち、泊まったのぉ?」
「だってこの人、タクシーん中、マジ寝でさ。仕方ないから担いで俺んち連れてったの。」
「嘘!?じゃ、俺も行けば良かったよ〜!」
....あなたね...
俺が頭を抱えたその時。智と翔さんが入ってきた。
「「おはよー!」」朝から、揃ってるぜ...
「ねえねえ、ニノったら、夕べ松潤んちに泊まったんだよ〜!」
「えっ、そうなの?」
智が俺を見た。翔さんも、ちょっと目を丸くしてる。
「泊まっただけだよ!何も特に、そんなことしてないから!」
「俺、何も言ってないじゃん。」
当たり前だって顔して言う相葉さんに、俺は、不貞腐れて横を向いた。
仲良く並んで座る智と翔さん。
そこに流れる温かい空気が、何かさ、いいな..って思った。
智が、幸せそうに笑ってる。
それは、俺と二人の時は見せなかった顔で。
...明け方、智の夢を見た。
それはやっぱり横顔で、その先にいる誰かに向かって微笑みかけていた。
そんな夢を見ても、泣いてなかったのは、隣に松潤が居てくれたからなのかな?
...この先も、ずっと貴方の横顔を。幸せなのかと確認しながら...俺は、生きてくんだと思う...
『智....幸せになって..』
どうか...
誰よりも。
【 END 】