第12章 同じ空の下で
【智side】
早く触って欲しくて我慢できなくて。
もうすっかり堅くなったそれを強請るように翔くんに押し付けた。
「なに?どうしたの?」
だけど、薄笑いを浮かべながら惚けた顔で聞かれて。
「イジワル…」
頬を膨らませると、益々笑みを深める。
「ちゃんと言って?そしたら、智くんの望むようにしてあげる」
啄むようにキスしながら、囁かれた。
それ、よく言ったよね…
恥ずかしがる俺を見て、楽しんでるんだろ?
躊躇してると、人指し指で堅くなったそれをそっと撫でられて。
「あんっ…」
自分でもびっくりするほどかわいい声が出た。
俺、こんなんだったっけ?
「かわいい…。ねぇ、もっと聞かせてよ。かわいい声」
翔くんが目を細めて愉しげに俺を見てる。
その瞳の奥に、欲望の紅い焔が揺らめいていた。
ああ、この瞳だ。
欲しくて欲しくて堪らなかった、翔くんの瞳。
本当に、俺のものになったんだ。
堪んなくて、ぐいっと引き寄せて噛み付くように唇を重ねる。
「お願い…おれのちんこ、触ってよ…早く…」
もう恥ずかしいとか、そんなのどうでもよかった。
早く、翔くんを感じたかった。
俺のもんだって、身体に刻み付けて欲しかった。
愛してる、愛してる、愛してる……
頭がおかしくなりそうだった。
唐突に火が着いた俺に引き摺られたのか、翔くんの瞳が獣みたいにギラリと輝いて。
乱暴に下着を剥ぎ取ると、飛び出した俺のものを握って最初から激しく上下に扱きだした。
「あっ、あっ、まって…翔くん…んあっ…!」
声を抑えることもできなくて、本能のままに喘いだ。
「ああっ…んっ、あ…あ、あ、あっ……翔、くん…!」
痺れる頭で、彼の腕を掴む。
それを合図だと思ったのか、彼の口が俺のを咥えて。
じゅるっと音を立てて先端を吸われると、一気に射精感が押し寄せてきて。
「まって、しょうくん…イッちゃうからっ…!」
なんとか快楽を逃そうとしたのに、翔くんは一気に追い詰めてきて。
「あ、ああっ…ダメ…イクッ…!」
俺は、呆気なく彼の口の中に吐き出してしまった。
乱れた息のまま目を開くと、翔くんの喉がゴクンと動くのが見えて。
反射的に起き上がると、彼の身体をベッドに沈めてズボンと下着を剥ぎ取って。
飛び出したものを、咥えた。
まるで獣だな。
頭の隅で、そう思った。