第7章 maboroshi
【和也side】
火曜日。
いつもなら、レギュラー番組の収録がある日だが、この日は、特番が入る時期なので、収録はなかった。
その代わりという訳でもないけど、ニューアルバムの打ち合わせがあり、俺たちは会議室に集まっていた。
相葉くんはしきりに携帯を気にしている。
それより、俺が気になったのは、松潤と大野さんが話は愚か、全く目も合わさないこと。
いったい、ふたりに何が起きてるんだ!?
それにしても....翔ちゃん遅いな...
遅刻することなんかないのに。
大野さんもチラチラ入り口のドアを見ている。
するとそこへ、チーフマネが入ってきた。
「お待たせ〜!翔くんだけど、今日は高熱が出たみたいで、来れないから..」
それを聞いた大野さんが、慌てて立ち上がり、
信じられないという表情をして、
「嘘だろ..」と呟いた。
「マジで?だ、大丈夫なんすかぁ〜?」
相葉くんが心配そうに食い下がった。
「インフルではなかったらしいから、熱が下がれば仕事出来ると思うけど...」
「さっき病院から連れて帰ったらしいから、薬のんで、今は自宅で寝てるはずだよ〜?」
「俺、行きたいんだけど?」
看病に行くという相葉くんに、チーフマネは、
「うつると困るから、ダメだよ!」
「えー///そんなぁ〜!」
相葉くんが、マネに食い下がってる。
ふと隣を見ると、大野さんが蒼い顔をして、俯いていた。
何だろう?
昨日、何かあったの..?
知りたいとは思うけど、知るのが怖かった。
俺の知らないところで、何かが起きている??
翔ちゃんがいなくても出来る範囲で打ち合わせをして、俺たちは解散になった。
急いで荷物をまとめている相葉くん。
ダメと言われてたけど、行くつもりなのかもしれないな....
松潤は...?
3人目の彼がどういう反応をしてるのかって、こっそり松潤を盗み見ると、
大野さんのことを、じっと睨み付けていた。
打ち合わせが終わって、帰ろうとすると、トイレの前に松潤と大野さんがいて、俺は慌てて隠れてしまった。
そんな俺の耳に届いたのは、
「あの後、翔くんに何したんだよ?」
という松潤の怒声。
....あの後?
あの後って....??
翔ちゃんはいったい、どうしたっていうんだよ?