第6章 Firefly
【智side】
震える身体を抱きしめるように膝を抱えて小さくなりながら、俺の視線はベッドの上から離すことができなかった。
甲高い声を上げて、翔くんが松潤の口の中でイッた時、ぞわりとした感覚が身体の奥底から沸き上がってきて。
気持ち悪いんじゃない。
ありえないけど、それは間違いなく興奮している感覚そのもので。
そんな自分に寒気がした。
松潤が翔くんの身体を起こして、俺の方に向けるように彼の足を大きく開かせて。
無防備に晒される、翔くんの半勃ちのものと、ヒクヒクと蠢く後ろの蕾。
やめろといいながら、俺の身体は熱く猛っていく。
揺らめく視界の向こう側で、その蕾が松潤の指を飲み込んで。
松潤の言葉に導かれるように、翔くんが自分から腰を振って快楽を貪る。
「あっ……ああっ……ん、あっ……」
欲に溺れた艶っぽい声と、動くごとにうっすらとピンク色に染まっていく淫らなその姿に、俺のそれはもう痛いくらいに張り詰めてしまって。
心は、氷のように冷えていくばかりなのに……。
必死で唇を噛んでその熱を逃しながら、それでも視線を外すことが出来ない。
「あっ…やだ…見ないで、智くん……」
そう言いながらも、翔くんの顔は段々と快楽に溺れるように恍惚としてきて。
半勃ちだったそれも、すっかり大きくなって天を仰ぎ、先端からは透明な露を流している。
「ほら、大野さん。前、やってあげなよ?物欲しそうに涎垂らしてるじゃん。口でしゃぶってあげたら?いつもやってるみたいにさ」
松潤の、場違いなやたらと楽しそうな声が響いたけど。
俺は必死に首を振って、拒否した。
「なーんだ、つまんないの。じゃあ、自分でやって?大好きな智くんにイクとこ、ちゃんと見てもらいなよ。さっきは、俺の口の中だったから、見てもらえなかったでしょ?」
そう言いながら、翔くんの手を取って自分のを握らせる。
「やだ…無理……」
「俺の言うことが、聞けないわけ?」
一度は拒否したけど、松潤に低い声でそう脅されて。
翔くんは俺に顔を背けたまま、自分のものを扱きだした。
「…あ、あっ……ん…んあっ……」
自ら腰を振りながら、自分で昇り詰めていく彼が、いやらしくて、でも壮絶に綺麗で……。
「あ、あ、ああっ……イク、イクッ…ああっ!!」
白濁を飛び散らせる彼を、涙を流しながら、見ていた。