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狂気の傷痕【刀剣乱舞】

第11章 風邪。


長谷部『共に…?』


ビクッ…と私に触れる手が
反応し小刻みに震えている。


『えぇ…私はこの本丸の審神者…
前審神者と闘う意味があります。』


ハッ…と鼻で笑う長谷部
鼻で笑われるとカチンとくるな…


長谷部『無駄だ…お前の様な
おなごが勝てる相手ではない。』


その身をもって知っている…
そういう表情をしていますね。


私は軽く胸へとドンと
頭突きをすれば長谷部が噎せる。


長谷部『何をする…っ…。』


『私一人なら勝てません。』


長谷部『…っ…だったら!』


『貴方が居るじゃないですか。』


その言葉にうっ…と、止まった。


『この本丸にいる刀剣達もいます
共に闘ってくれる仲間がいます。』


だからこそ、私は強くなれる。


この本丸を仲間である家族達を
守れるくらいにもっと強く…。


『一人で闘うなんて言ってませんよ』


長谷部『………っ…、だが…、
あの方は本当に…。』


目の前のトラウマに立ち向かえ


実際に闘うのは私だろうけど…
気持ちがあるだけ違うんです。


『強くなる為には向き合い
己を知らなければなりません。』


弱さを知り、強さを学び
そして力へと変わるから


『長谷部…共に、歩みましょう。』


闘うだけが道じゃありません。


私からは長谷部の表情は見えない
けれどズズ…と鼻を啜る音が聞こえ


長谷部『………はいっ!!』


力強い声を聞くことが出来た。


長谷部にここまで言わせる
前審神者の事を知る必要がある。


闘うと言った手前だ
少し準備を進めなくては…でも





今はまだいい。





長谷部『主…と呼ばせて下さい。』


私は長谷部に微笑んだ。


『いつでもどうぞ、へし切長谷部様。』


力の限り包まれ温もりが伝わる。


どくん…どくん…高鳴る心臓は
彼の生きる命の証明。


『貴方を守ります。
共に闘わせてくださいな…?』


長谷部『主の…お心のままに…っ…。』


包み込んだ温もりがそっと離れ
長谷部は、私の唇へと己の唇を
優しく口付けた。


『…ん…っ…。』


柔らかい唇が重なれば
甘い蜜が口の中に流し込まれる。


甘い言葉は蜜の味
それでも彼の為になるのなら…


長谷部『主…あるじ…、』





この身を貴方へと捧げましょう。



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