第11章 風邪。
『はぁ…ぅ…はぁ。』
腰が抜けた…ぐらいに
体がガクガクする…。
長谷部が私を起き上がらせ
凭れさせてくれるから今は
座っていられるけど支えが
なくなれば倒れてしまう。
長谷部『…っ…は…ぁ。』
全てを出しきったであろう
長谷部が息を整え口を開く。
長谷部『大丈夫、ですか。』
敬語になったり乱暴な言葉に
なってしまったりと彼も彼で
混乱しているのだろうか…。
繋がれたままの秘部が
ぬちゅ…となるものの、
平気…とこくこくと頷いた。
私の反応にホッと胸をなでおろす
長谷部はゆっくりとモノを抜いた。
どろ…り…と流れる愛液に
身震いするも熱い体に心地の良い
涼しさが纏った。
寒い気がするけれど
何もかも麻痺しているようだ…
長谷部『寒いですか…、』
長谷部は胸へと寄りかからせ
そっと包んでくれた。
『ありがとう…ございます…』
長谷部『いえ…、』
素っ気ない態度でも彼は
落ち着きを取り戻したらしい。
『ねぇ…長谷部様、』
長谷部『今更だ、様など…
こんな俺になど要らん。』
『じゃあ、長谷部…。』
長谷部『なんだ…、』
砕け口調、使わない敬語
これが長谷部の素なのだろうか。
私に掛け布団を纏わせながら
抱きしめてくれて近い距離で
彼の心臓の音が聞こえる。
『強さって大切ですか…?』
彼の音を聞きながら問いかけた。
長谷部『必要だ、この本丸には…』
そうか…その言葉でわかった。
彼は前審神者の信者ではない。
『強くなって守りたかったのですね』
この本丸を、刀剣達を…。
長谷部『………。』
無言の彼はこく…と、小さく頷く。
前審神者の力が強すぎて
刀剣達は傷ついただからこそ
前審神者に尽き強さを求めた。
守る為に傷つきながらも
まるで、負の連鎖だ。
報われない傷付くだけの…業。
『もう、いいですよ。長谷部…。』
長谷部『なん、だと…。』
『一人で頑張らなくていいんです。』
動揺している長谷部の胸に
自分の頬を擦り寄せて
『私も共に強くなりますから。』
適わないなら共に闘いましょう。
己の弱さと向き合う為にも…
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