第11章 風邪。
『ゲホゲホ…ッ。』
はい、皆さんご存知の通り
のぼせました風邪ひきました。
ダブルコンボで
フルボッコな私は菌にも犯され
死にそうであります。
薬研『大将、寒くないか?』
この本丸のお医者さん兼薬剤師
薬研藤四郎様に解熱剤を頂き、
高熱は出ないものの熱っぽい。
しかし体の熱はあるものの
寒さがどうしても消えない。
『さむい…。』
布団をかけてもかけても
寒くて仕方なくて泣きたい。
薬研『これ以上かけたら
汗かいて気持ち悪いだろう。
今、食べ物を持ってくるから
少し待ってくれるか?』
こくこく…と力なく頷けば
苦笑いの薬研様がいた。
私とはまた違った意味で
元気がなそうな薬研様に声を
かける言葉が見つからない。
風邪の原因は鶴丸様とシた
あのお風呂場での出来事であり
薬が原因という訳では無い。
それに霊力を使い果たし
疲労も重なっていたのだろう…。
薬研『あの、さ…大将。』
部屋から出る前に薬研様は
こちらを向かないまま呟く。
薬研『風邪が治ったら
俺は刀解処分でも構わないぞ。』
私が構うので却下の方向で
っという意思表示で首をふる。
私の態度に薬研様は
何も言わずに静かに部屋を出た。
しませんよ、絶対…
でも流石に薬は驚いたけど…
コンコンッ…。
薬研様と入れ違いでノック音。
『風邪がうつってもいいなら
どうぞー、ふぁ…くしゅっ…。』
大きなクシャミのあとに
失礼します…と声が聞こえ扉を
見ると思ったより大勢の人が来た。
ん…んんん、多くね?
そんなに風邪うつってもいいの?
粟田口の皆様や。
一期『失礼します。』
兄弟代表として一期一振様が
一歩部屋に足を踏み入れ正座し
頭をこれでもかと下げた。
『何事、っ。』
一期『この度は申し訳ありません…』
他の兄弟の皆様は合わせたように
ごめんなさい!!!と叫んだ。
おっふ、頭に響くぜ。
大方、薬を盛った事へと謝罪だと
思うけれど死ぬような薬じゃないし
風邪の大元の原因は私のせいだし…
そんな泣きそうな顔しないで欲しい
『お顔を上げてくださいな、』
私の言葉にそれぞれ悲痛な
表情で私に視線をあびせた。
あぁ、風邪で頭も痛いが
泣きそうな視線に胸も痛む…。
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